経営者人事対談 > インタビュー記事一覧 > Vol.001 船井総合研究所(五十棲剛史 氏)

船井総合研究所 取締役執行役員 五十棲剛史 氏

経営コンサルタント業界では、世界で初めて株式公開(現在・東証・大証一部上場)を果たした日本最大級のコンサルタント集団である船井総合研究所。現在の採用環境を好機ととらえ、新卒予定人数を倍増するという採用戦略の背景と「奇跡の会社」と評する"船井流"人材育成の考え方について語っていただきました。

樋口:
1月に発表された就職人気ランキング(ダイヤモンドビッグ&リード)で船井総研さんは去年の92位から59位(文系・男子)とすごく伸びています。何か大きな工夫をされたのですか。

五十棲:
ここ2年ぐらい採用がしにくかったということもあるのですけど、不景気になったということもあって、新卒の採用を倍増しようという方針を打ち立てました。例年の採用人数は35名から40名程度でしたが、2010年以後は70名から80名を目標に計画しています。われわれコンサルテイング会社というのは、ある意味「人が商品」みたいなところがあるので、コンサルタントの採用は「商品の仕入れ」みたいな感覚があります。人が増えなければ会社の業績も伸びないという考えがそのベースにあります。

2倍ですか。それはすごいですね

ですから、そのぶん複数の就職媒体を利用して露出を増やしたり、主な大学で学内セミナーを行ったり、コンサルテイング研究セミナーを開催したりしました。こういう人気企業ランキングを見るとわかりますが、おおよそ100位くらいまでにランキングされるような会社は、ほぼ誰でも知っているような企業ばっかりなので、船井総研が最も一般的には認知度が低いんじゃないかという感じです。ですので、学生に対して、こうした認知度を上げる活動を行っているというのは大きいと思いますね。

新卒採用の採用目標を2倍にしたというのは、マーケットが追い風になってきたというのは分かるとして、そもそも中途をやめて新卒なのか、あるいは、人員そのものを増やそうとされているのか、どういう理由なのですか。

人員そのものを増やそうとしています。

そうなのですか、なるほど。中途より新卒という方法ですか。

新卒のほうが定着するということもありますし、いろんな意味でそうですね。この数年を見ていると、もちろん中途採用でもいい人が入ってきて、活躍している人も多いのですが、新卒のほうが安定的に育っていくなあと判断をしています。やっぱり、新しくリーダーになる人を見ていると、新卒のほうが多かったりしますので。

ちなみに御社の新卒1期生というのは何年ぐらい前ですか。

1期生は、もう20年以上、おそらく26年ぐらい前ではないでしょうか。

そんなに続いているのですね。

副社長や役員も新卒ですから。

では、社内では中途の人も新卒も混在していて、いろんな角度から検証ができているのですね。

そうですね。

売りというのか、学生に対してはどういうポイントを打ち出しているのですか。

やっぱり、自由だということと、自分たちのやりたいことができるということですよね。自己実現がしやすい会社ということかな。それが一番大きいと思います。基本的にコンサルタントというのは一人一人が商品であるわけですが、われわれの仕事は特にその傾向があります。例えば、外資系のコンサルテイング会社というのは、クライアント企業の規模が大きいということもありますが、パートナーといわれるような部長クラスの人が大きな仕事を取ってきて、30人とかのプロジェクトの1人になって働くというケースが多いと聞きます。けれど、われわれのコンサルテイングというのは、プロジェクトといっても4~5人程度だし、売上の大部分は個別企業のコンサルテイングになりますから、それはほぼ経営者と1対1でやります。また、業種やお付き合いする会社も自分で自由に決めていくというスタイルですので、それがやっぱり最大の魅力だと思いますよね。