経営者人事対談 > インタビュー記事一覧 > Vol.004 ライブレボリューション(増永 寛之 氏)

ライブレボリューション(増永 寛之 氏)

樋口:
いまの話はすごくわかりやすいと思いますし、私も一部やっていますが、見抜くということを仕組み化してやっていくというのはやっぱり増永さんですね。
経営者として、採用にかなりのこだわりを持って、成功されていると思うのですが、現実問題として増永さんがいまのイメージで運用できるキャパシテイは、社員数でだいたい何名ぐらいまでと想定して、現在経営をされているのですか?

増永:
いまのやり方が永遠に続くとはまったく思っていません。ただ、現時点で正社員は40名ですけれども、60名はどうですかと言われたら確実にできます。100名になってくるとちょっとわからないというのが正直なところです。ただ、そのときにベストだと思うことをやりながら、問題が出てきたら何が問題なのか原点までさかのぼってそれを取り除き、やりたいことを永続的にできるようにするというのが私のやり方です。ですから最初から完璧は求めません。
ライブレボリューションは、文化と人材とマネジメントの仕組みは恐ろしく高いはずです。ただし経営というのは、そうした人の部分だけではなく、やはりビジネスモデルも見なければいけないわけですよね。私たちはビジネスモデルに合わせて人を採っているのではなくて、人に合わせてビジネスモデルを選んでいます。ですが現在のビジネスモデル(モバイル広告代理店事業)は、すでに手がけていた事業をそのまま拡大しているに過ぎませんので、現在採用した人達にあったビジネスモデルに変えていく必要があります。あと、余談ではありますが、いま手がけているビジネスモデルが世の中的に見て素晴らしいとか、安定しているのか、儲かるのかといったら決してそうではありません。
これから採用するであろう人材についてはもう既に基準があるので、それを超える人しか採らないと仮定すると、もっと違うビジネスができるだろうと思います。人材と文化と組織のマネジメントは4年で変革しましたけれども、これからの4年間は採用した人達に合ったビジネスモデルへの転換期と位置付けていて、この2つの両輪が揃ったときにはじめて優れた会社になるのではないかと考えています。それが私の今胸に秘めている問題意識です。現在、ありがたいことに私には人材管理に関する悩みがありません。なので、ビジネスモデルを考えることに集中できます。次はものすごく儲かって、ものすごく安定的な成長ビジネスを手がけたいですね。そうすると、いまの人材の質さえ保てばさらに飛躍できると思います。そんな将来を思い描いていると、「ものすごい利益率、ものすごくいい人たち、これでどうやったら失敗するのかなあ」なんて考えてしまいますね(笑)
あと、私は周りの経営者たちほどは急いだり焦ったりしていません。人の入替えも相当な忍耐力と時間がないとできないですからね。一気に変えていくというよりは、徐々にでもいいからよりよい方向に変わっていけばいいなと思っています。

増永さんには、ビジネスモデルへのこだわりはあまりないのですか?
つまり、経営者として人材レベルが上がった、いまのビジネスモデルではちょっともったいない。何か探して当てはめたらすごいことができて儲かるぞという感じですか?

そうですね。基本的には両輪ですけれど、どちらが核かといったら、やはり人ですね。多くの経営者はビジネスモデルから考ているようですけど。

儲かるというのももちろんそうだと思いますが、増永さん個人のこだわりはあまりないのですか?例えば、スポーツにかかわる仕事をしたいとか。そういった具体的にやりたいことを思い描いたりはしないのですか?

具体的に「これをやりたい」というのはありませんし、執着もしていません。やはり、みんながやっていて楽しい、みんなが誇りを持てるかということですね。

そこは、ご自身も当然入っているのですよね?

もちろんです。でも私がやりたいというよりは、みんながやりたいかどうかです。ですから、いまのモバイル広告代理店事業には個人的な思い入れはありません。この事業というのは資金力も必要ですし、属人的なので、優秀だからこなせて同業他社に負けていないという側面があります。しかしながら、彼らにずっと緊張を強いることにもなります。だから、凄く疲れると思います。そこまでしなければ売上が上がらないというのだったら、私だと長続きしないのではないかと思うんです。

そんなことを思うのですか?

思いますね。やはり家族や子供ができたときに、家に帰ってまで張り詰めていなければいけないなんて毎日できません、人として。

それは、増永さん個人というより、社員だったら嫌だということですね?

そういうことです。経営者は事業が何であれずっとピンとしていなければいけません。油断大敵です。ですから経営者としては覚悟していますけれども、私が一社員だったらこんなに厳しい競争を続けさせたら駄目だと思いますね。

そこが遊離するのが不思議ですね。私の場合は、自分が社員だったらということと個人の価値観が遊離しません。つまり、樋口弘和という絶対的な価値観がいろいろなものを判断しています。ですから増永さんのその考え方、思考プロセスはすごくユニークだなと思います。

変わっているとよく言われますよね(笑)

普通はそうならない。同じであるという答えもあるし、そんなことは面倒くさくてやらないという答えかもしれません。例えば私が社員のことを考えて、1回自分のことを忘れて彼はこうだからこうしなきゃいかんなというのはありですね。でも常にその考え方の発想が「私が社員だったら」とか「私が学生だったら」というのは、すごくユニークだなと思います。増永さんは当事者意識の塊のような人ですよね、すごさの原点がここにあるような気がします。

特に、若い人だったらどうなのかなというのはすごく考えますね。遊びたい盛りでしょうし、恋愛だってしたいでしょう。それと同時に、みんな歳を重ねていくわけです。結婚もありますし、育児や介護もあります。まだ当社のメンバー(平均年齢が26歳以下)には早いかもしれませんが、老後のことだって考えなければなりません。そうしたときに安心して世話をしたり、家庭サービスができたり、老後の明るい展望が描けたりしなければ 、幸せな人生とは言えないと思います。

普通の経営者はアグレッシブルで寝ずに働くことに何の疑問も持たない人が多いので、そういう発想に立たずに黙って引くのが一般的なマネジメントのやり方だと思いますが、その点も異色です。まだまだ聞きたいことがたくさんありますが、今回は特に新卒採用にフォーカスして御社の成功例を多くの経営者の方々にお伝えできれば嬉しいなと思って採用のお話を中心にお話を伺いました。非常にいい勉強になりましたし、会社の将来が楽しみででね。貴重な時間をありがとうございました。

 

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著書紹介
『宇宙一愛される経営』(総合法令出版)
『仕事頭がよくなる アウトプット勉強法』(サンマーク出版)

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株式会社ライブレボリューション

■会社名:株式会社ライブレボリューション(Live Revolution Co., Ltd.)
■代表者:増永寛之
■創 立:2000年8月8日
■所在地:東京都港区三田3-5-27 三田ツインビル西館 18F
■URL:http://www.live-revolution.co.jp/
■事業内容:
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