経営者人事対談 > インタビュー記事一覧 > Vol.031 株式会社RYコーポレーション(横山藤雄氏)

大事なのは、スキルよりもスタンス 株式会社RYコーポレーション(横山藤雄氏)

樋口:
夢を持たせながら、現実を思い知らせつつ鍛えていくのは難しいですね。

横山
お店は一軒一軒すべてでコンセプトを明確にしています。最終的には私が意思決定をしますが、あくまでもメンバーが店舗を任せられた時にどういうコンセプトで、どういうお店にして、お客様にどう感動を創造していきたいのか、を私の意見よりも大事にしています。
オープン後3年~5年経ったお店というのは、オープン当初と比べてお店自体は古くなってしまうし、会社の気持ちとしてもどうしても次の新しいお店に気持ちが入ってしまうので、「本当にやりたい、オーナーをやりたい」という人材にやってもらった方がお店や来ていただくお客様のためになると思うんですね。
ですから私自身、こういう場所でやりたい、こういうコンセプトでやりたい、という希望は持っていますが、それよりも社員がやりたいお店を、まずは会社のお金を使ってお店を作って、そのうえで社員が自分のお店にしたいということなら、しっかり経営できるかを判断したうえで独立させていきたいなと思います。
今まで社員の独立を心から応援してこなかった会社や経営者をたくさん見てきました。私自身もそういう考えの時期もありましたが、現在は会社に貢献してくれる人材に対しては、心から協力してあげたいと思っています。一緒になって成功できるようにサポートしたいのです。

幹部の方たちはどのような方々なのでしょうか?

さまざまな色があって、私が全部口に出さなくても理解してくれる人、私がメンバーに伝えたい事とは別の切り口で伝えられる人です。当然、仲間からの信頼がなければ就くことは難しいですし、現場力もずば抜けています。部長やマネージャーも、チーム作りに長けていたり、結果を出せたり、会社の理念や価値観を完全に理解している人材を幹部に登用しています。
スキルだけを見れば店長の方が優れているケースもありますが、理念ありきでやってきているので、これからも理念を完全に理解したなと実感しないかぎり幹部には昇格させられないと考えています。あとは人間性も大事です。嘘をつかないことや時間を守るなど、今までの積み重ねです。私にとっての当たり前を当たり前と思ってくれる人材。良いことだけではなく、悪いことも話してくれる人間性や価値観が重要だと思います。

海外への出店も視野に入れているのでしょうか?

まだ計画は無いのですが、一度しか無い人生ですからチャレンジしてみたいと思っています。現在の飲食店マーケットでは、同一ブランドは2年持たないと言われています。当社も何年も同じことをやっていてはダメでしょうし、人材も成長していかないと、お客様の満足感や価値観も多様化していますし、求める質も上がってきています。ですから、我々もそれ以上のパフォーマンスをどれだけ見せられるかが生き残りのカギだととらえています。
細かい話ですが、「いくらで仕入れて、いくらで販売するか」という勘定を今まで通りの玄人勘定でやっていたら絶対に失敗します。産地直送等の企業努力をすればなんとかなるかもしれませんが、お客様は我々が儲からない商品ほど喜びます。「これを売ったら儲かるだろうな」というのはうまくいって満足止まりで、感動までにはいかないですね。ですから、しっかりとしたマネジメント能力を発揮しなければ、収益を確保することができません。それくらい収益を上げることが難しい時代です。

飲食業は好きだけでできる商売ではないのですね。

そうですね、シビアです。もちろん好きな人じゃないと続きませんけども。今は会社を退職してから経営を始める方も多いのですが、社内ベンチャーのように社内で疑似体験をして、その後独立した方がいいと思います。そうした方法で一番喜ぶのは最終的にお客様ですから。

本日は楽しいお話しありがとうございました。

ブログ
http://ameblo.jp/ry--blog

CompanyData

株式会社RYコーポレーション

■会社名:株式会社RYコーポレーション
■代表者:代表取締役 横山藤雄
■設立:2006年12月28日
■所在地:東京都品川区上大崎2-15-19 アイオス目黒駅前
■URL:http://www.ry-corporation.com
■事業内容 :
 飲食店経営
 その他各種飲食店サポート