経営者人事対談 > インタビュー記事一覧 > Vol.033 株式会社ノバレーゼ(渡瀬舞子氏)

心から相手に向き合うことは現場も人事も同じ 株式会社ノバレーゼ(渡瀬舞子氏)

2000年11月の会社設立以来、「世の中に元気を与え続ける会社」を経営理念にブライダル業界に新しい価値観を提供し、躍進を続けている株式会社ノバレーゼ。2010年に東証一部上場を果たした同社 人材開発部長 渡瀬舞子 氏に人材に対するこだわりについて伺いました。


ノバレーゼ銀座 ドレスショップ

樋口:
渡瀬さんは新卒で入社し、ブライダルプランナー等現場でのお仕事を経て現在人事をご担当されていると伺いました。現場のお仕事と人材開発のお仕事に共通点があれば教えていただけますか?

渡瀬:
人事の仕事でも現場の仕事でも心を真っ直ぐにして仕事ができるな、と思っています。
ブライダルプランナーをしていた時も、ドレスのコーディネータをしていた時も、お客様に向き合う気持ちが大事であり、真摯に相手と向き合うことで、お客様との会話が生まれることを現場では学んできました。もちろん、最終的には売上げにつなげなければならないのですが。人事の仕事は確かに見るべき視点や目標が異なりますが、心から相手に向き合い、自分の想いを会社を通して素直に伝えることが求められる点では共通していると思います。それはもしかしたら、職種という枠ではなく、会社という枠で実現しているのかもしれませんが。

我々も人事の仕事をしていますので、非常によくわかります。渡瀬さんは納得感を持ちながら、自分を出しながらお仕事をされているのだろうと想像しますが、それを感じるようになったのはいつごろからでしょうか。

そうですね。もともと自分を出して仕事ができる環境だな、と思って入社しました。ただし、自分の出し方を意識するようになったのは、今振り返ると1、 2年目に仕事が行き詰った時や、ミスをした時に先輩社員からアドバイスをもらったことがきっかけだったと思います。また勤続年数が1年、2年と増えるにつれ、自分の頭で考えて、自信を持って発言するようになってきているとも感じています。

今のお話を伺っていて、渡瀬さんはとても順調に会社に適応し、ここまで来られたように感じました。しかし、渡瀬さんのような方もいれば、残念ながら途中で辞めてしまったり、うまく力を発揮できない人もいると思います。そのようにならないために、採用ではどのようなことに気をつけていらっしゃるのでしょうか。

抽象的かもしれませんが、2つあります。
1つは、過去の人生において、どのような経験をしてきたのか、ということが重要です。例えば、何かを貫いてきた経験があること。それは部活動でもいいですし、受験勉強でも、何でもよいのです。また、たくさんの愛情を注ぎ注がれてきたことがあること。何かに努力した経験があり、きちんと自分を反省することができること。人を信じる素直さを持っていること、など、人生経験を丁寧に見ています。当社では社員が持つカードがあり、その中に「本気道7か条」というのがありますが、まさにその内容です。

また、もう1つとても大切にしていることが、スーパースターであることです。学校でも、アルバイトでも、あるコミュニティの中で常にその人の周りには人が寄ってきてしまう、何かを決める時には誰もがその人に意見を請うというようなカリスマ性や、スター性も見ています。


説明会会場

これはもう、資質ですよね。難しい採用ですね。このような資質は職業経験があれば、仕事上の発揮度がわかりやすいと思うのですが、新卒採用で見抜こうとすると難しいのではないでしょうか。
先ほど「本気道7か条」というお話がありましたが、このうち選考で最も力を入れて見ていらっしゃるのはどの項目なのでしょうか。

一番見極めるのに苦労するのは、「信じよ」です。
学生時代に取り組んできたことや、人との関わり合い方を聞けば、「愛せよ」「楽しめ」の部分は大体見えてくるのですが、「信じよ」については難しいかもしれません。逆に我々がまず信じることで、学生に心を開いてもらう方法が、「信じよ」を引き出す一番早い方法のように感じています。当社の場合、本気で採用を行っているからこそ、他の会社に未練がある状態では最終面接には案内しない、と伝えています。そのため、内定が出るかどうかわからない、けれども人生かけて当社に挑戦したい、という想いを持って、学生さんは最終面接に挑戦しに来ます。ですから、私たちとしても彼らを信じることが大切なのだと、と感じています。