経営者人事対談 > インタビュー記事一覧 > Vol.064 株式会社USEN 常務執行役員(服部 浩久氏)|

自身の起業経験を活かしたチーム編成とマネジメントとは  株式会社USEN 常務執行役員(服部 浩久氏))

創業50年を超えてBGM業界の中で最大手である株式会社USEN(以下、USEN)にて、常務執行役員経営企画室長を務める服部浩久氏。自らがプロジェクトマネージャーとして新規事業を立上げ、チームを組成し率先し続けるにあたり、こだわり続ける独自のチームビルディングや、新規事業を任せる上でふさわしいリーダー像、学生の採用基準について伺いました。

新規事業は投資余力があるうちに

樋口:【新規事業を立ち上げるきっかけについて】
御社ではBGM放送をメイン事業として展開されていますが、BGM放送以外の領域で新たなビジネスを開発され続ける理由について教えてください。

服部: 2013年、現職の田村が社長に就任したタイミングで経営企画室長として、新規事業開発の担当となったのですが、将来を長い目で見たときに「音楽放送にお金を払うというビジネスモデルは古くなるだろう」と考え、投資できる余力があるうちに、スケールメリットを生かした新たなビジネスを展開していくこととなりました。経営にとっての必要課題という認識ですね。




あえて経験者不在で新規事業をチームアップ

樋口:【新規事業の立上げにおけるチーム編成のこだわり】
新しいものをつくれるメンバーやチーム、環境について、ご自身がリーダーを務めるにあたってどのような要素がそろうとうまくいくとお考えですか?

服部: 各社各様、マネジメントはいろいろなやり方があるとは思いますが、私の場合は自分がリーダーとしてその事業に一番情熱を持って精通していて、ゴールを思い描けるからメンバーがついてきてくれていると思っています。まずは「この事業をどのくらいやったらお客さまは喜ぶんだろう?」「実現可能性はあるのか?」と考えますね。自分がその情熱を持てるか持てないか。おもしろいと思えないことはやりません。「おもしろくなりそうだ」と思ったら、どういうピースがあればうまくいくか考えます。オーシャンズ11で言うと、全員ジョージ・クルーニーでなくても良いじゃないですか。カジノの金庫破りに挑むチームに、金庫を開ける人、騙すのがうまい人がいて…。チームアップしたときに共通の目的があれば、システムに詳しい人、細かい文字のやり取りをコツコツやれる人など、特技がバラバラなチームを組成します。特長的なのかもしれませんが、経験者は全く入れないんです。経験者を入れなくても事業に必要な役割を担えるメンバーが揃えば、うまくいくと思っています。もしかしたら、ずっと部活でサッカーやラグビーをやっていたことが関係しているのかもしれません。サッカーでキーパーが11人いても仕方ないですし、ラグビーでもスクラムを組む人や走る人がいますし。なので、エースばかり集めてもその事業がうまくいくかどうかは、わからないなと思っています。固定概念があるわけではないのですが、結果的に今までそのような多様なメンバーの組織をつくってきましたね。

プロジェクトを“高校スポーツ化”する!?

樋口:【新規事業チームのモチベーション管理方法とは】
チームをつくる上で様々な専門性や経験、タイプを意識されるということはよくわかりました。ではチームができあがった後、率いる上でこだわっていらっしゃることはありますか?

服部: チームに所属している以上、メンバーと常にゴールイメージを共有し「一緒にやろう」と思えるように意識しています。少し話がそれるかもしれませんが、高校スポーツは、大人がつくった実によくできたドラマだと思っています。理由は2つあって、1つめは目標が決まっていること。野球だと甲子園、ラグビーだと花園、そしてインターハイがありますよね。そして2つめは時間が有限であることですね。この2つがあることで、チームに対するモチベーションアップが図れると思っています。そこを目指したくない人がいればチームは強くなれませんし、10年も20年もかけていたら盛り上がらないですよね。ですので、例えば直近では電力事業を立ち上げたのですが、事業メンバーと「1年半で日経新聞一面にのろう」と話しました。結果、2015年5月に日経新聞の一面にUSENが電力事業を開始すると載りました。そのために、チーム全員ができることは何でもしました。

"社長"と"経営立て直し"の二足の草鞋

樋口: 【USENへの参画を引き受けた経緯とは】
プロジェクトを高校スポーツ化するという感じですか。実におもしろい考え方だと思います。さて、ご入社の際は引き抜かれたと聞きましたが、服部さんに期待された要素とは何だったのでしょうか?

服部: 今、USENで4社目です。変わっているのかもしれませんが、転職活動は一度もしたことがありません。実は過去、創業・経営していた30人くらいの人材紹介事業向けシステムの会社があったのですが、とある先輩から35歳の頃「一緒にUSENを立て直しにいこうよ」と誘われたことがきっかけです。最初は1週間に1,2度お手伝いに行くぐらいだったのが、どんどん頻度が多くなって(笑)。自分の会社の経営を副社長に任せながら兼務するようになりました。1年以上経過して、役員が兼務することはあまりよくないなと思うようになり、USEN専属で勤務するようになりました。ですので、何か求められて転職したという感じではなく、気づけばどっぷり入って今のポジションに就いているというイメージですね。自分で言うのも何なんですが「USENは存在し続ける会社でなくてはならない」と思っていて、「自分が役に立てるんだったら」と決断したというだけです。