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株式会ネットプロテクションズ(柴田紳 氏)

樋口:
お話は変わってしまうのですが、若くして伸びる人材というのはそうでない人と何が違うとお考えですか?

柴田
自分の仕事の枠を決めず、どんどんトライしていく人だと思います。現在の幹部がそうなのですが、そのような人は自らが限界を突破して新しいフィールドを切り開くことで、他の人にチャンスを提供していくことができます。逆に、切り開いたところをいかに自分の色に染め、自分の城にしようかと考える人はそこに止まってしまいますのでそこから先の成長がありませんし、下もつかえてしまいます。その点、現在の幹部は30歳前後の若い人財ばかりですが、非常に優秀だと思います。

“優秀”というのはどのような点からお感じになるのでしょうか。

私もいろいろな場所を渡り歩いているわけではないので、比較材料を多く持っているわけではありませんが、一つの基準は自分自身です。曲がりなりにも世の中に通用する会社をゼロから作ってきていますが、その自分と比較して自分の得意分野が負けていることもありますから。

普通の人は自分の得意分野が負けているとジェラシーを感じるものだと思いますが、柴田さんはそのようなことはないのでしょうか?

会社がよくなり、社会に貢献できるのであればどうでもよいことだと考えていますので、気にしたことはありません。私は「個人としての自分」はこの会社にはほとんど持ち込んでいません。もともと雇われ社長ですし、給与もべらぼうに高いわけではないです。くぐった修羅場や果たした役割と比較すると実入りがあっていないようにも思いますが(笑)。しかし、「自分のために」と思っていたらあの修羅場はくぐれなかったでしょう。

それほどの修羅場は、利他精神と責任感がなくては乗り越えられないのでしょうね。

そういう点で採用でも修羅場経験があるかどうかは重視しています。世界的一流企業として名高い3Mでは、修羅場をくぐり絶対に無理だと言われていた商品開発を成功させた人しか上層部にいくことはできないと聞きます。なぜならばそのような経験をしていない人は次のチャレンジャーを歓迎しなくなり、下の人を潰してしまうからです。私自身もそれは強く感じています。当社の幹部は修羅場をくぐった人間ばかりですので、出る杭を潰すのではなく、むしろ歓迎して後押しすることができています。

私は人材の成長意欲を3つのタイプに分けて考えており、その一番上の向上心の塊を「のぞみ号」と呼んでいます。普通の企業ですとのぞみ号は1~2割しかいない者ですが、お話を伺っていると御社は割合が高そうですね。大体何割くらいがのぞみ号に当たるとお考えでしょうか。

現在、従業員数は40名程度(2010年10月現在)ですが、その3~4割はのぞみ号だと思います。

のぞみ号の集団であり、目標だけが共有されていて、場が提供されている御社のような会社は日本では珍しいでしょうね。

そうでしょうね。そういう会社を作っていきたいとも思っています。それを突き詰めていくと、会社への出入りは自由になるはずです。もし組織に貢献した人が退職してしまっても、次の人から見ればそれはチャンスにあたりますから。

退職もチャンスととらえるという考え方にも、社員の方々の成長意欲の高さを感じます。柴田さんのキャリアは非常に独特で、伺っていて刺激を受けました。本日はありがとうございました。

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CompanyData

株式会社ネットプロテクションズ

■会社名:株式会社ネットプロテクションズ
■代表者:代表取締役社長(CEO)柴田 紳
■設 立:2000年1月
■所在地:東京都中央区銀座1-10-6 銀座ファーストビル4階
■URL:http://www.netprotections.com/
■事業内容 :
 ・後払い決済サービスの運営
 ・クレジットカード決済サービスの運営