経営者人事対談 > インタビュー記事一覧 > Vol.053 株式会社アライブメディケア(竹内啓氏)

今後の事業を担うのは想いと合理性のバランスが取れる人材 株式会社アライブメディケア(竹内啓氏)

新卒で伸びる人材の違いは経験からの吸収度


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樋口:
介護士の方がやりたい仕事ができる環境なのですね。ところで新卒と中途では役割や求めるものが違うという話はよくわかりましたが、新卒はどのような軸で採用されているのでしょうか?

竹内:
例えばひとつは成長できる人、成長のポテンシャルが高い人です。もう少し具体的に言うと、成長できる人とは、周りの状況・環境を自分なりに客観的に整理して対応できる人、その中で自分自身を見つめられる人、それに加えて、啓発意欲が高く、努力ができる人だと考えています。

そのような人材はどこの企業でも奪い合いですから、彼らにうまくPRすることが大事ですね。

私どもの知名度もあると思いますが、大学を卒業して就職しようとする学生の目線に立つと、介護という事業のステータスが残念ながらまだまだ低いことも採用の難しさに大きく影響しているように思います。そこをどのようにPRしていくかが問題です。もう一つ問題なのが、そのようなポテンシャルを持った人材が採用できた場合、彼らが入社後に成長していけるような環境整備です。

不勉強で申し訳ないのですが、今の常務のお考えのように新卒の人材にマネジメントをやらせようという組織は介護業界の中では珍しいのでしょうか。

そういう意思を持ってやっているのは珍しいと思います。もちろんまだまだこれからのところはありますが。

それもあって御社が将来のマネジメントを求めていることが認知されにくいのかもしれませんね。

当社では会社の規模を考えると新卒採用には非常に力を入れているつもりなのですが、そういう思いを説明会で説明すると、響いている人と響いていない人に分かれるなと感じます。介護が好きである、人に寄り添う仕事がしたい、人に関わる仕事がしたい、ということを否定しているわけでは全くありません。マネジメント資質に加えてそのような志向があり、これまでとは違った角度で現場に入って周りによい影響を与えてくれれば、それも会社としてのコアスタッフですから。

2007年から新卒採用を始められたとのことで、現在新卒一期生は入社6年目になると思いますが、現在はどのようなお仕事をされているのでしょうか。

現場で仕事をしている者もいれば、入居相談室という会社の営業組織で活躍してくれてる者もいますし、現場の介護リーダーも3名出てきてます。ようやく目指す形になってきました。

新卒採用で当初の期待以上に伸びる方、成功している方はどのような人が多いのでしょうか。

私が見ている印象では、抽象的ですが、自分の背骨がしっかりしていると感じる人材です。もちろん彼らは新卒ですからまだ完成形にはなっていませんが、役割を担わせていくとしっかりこなしてきています。介護リーダーと言っても、介護のスキルや経験だけで見れば自分より熟練したスタッフもいるわけですよね。そういう環境で物怖じせずにしっかり現場をまとめて機能できているのは、自分の軸を彼ら自身が持ちつつあるのかなと思いますし、実際に彼らの仕事振りを見ているとそれは感じます。彼らを見ていると新卒で入社してからの4,5年で得た知識・経験を咀嚼し、吸収している程度が他のスタッフよりも強いように思います。

同じ経験から、より学んでいるということですね。お話を伺っていると、介護という業界を超えて、他の業界と共通しているように思います。

そうだと思いますし、むしろそういう部分を作っていきたいと思います。先ほど「想い」という言葉を使いましたが、介護の現場はある意味では感情の世界とも言えます。しかし、現場としても会社全体としても、それをもうちょっと違う角度で、少し客観的事業的視点でコントロールして最適化させていくようなところがないとダメなんだろうと思いますね。