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「挑戦する文化」を徹底するには、採用・経営メッセージの伝達・フィールドの提供がポイント 株式会社ワークスアプリケーションズ ビジネス・サポート・インフラグループ ゼネラルマネジャー(小島 豪洋氏)

「採用」「経営者のメッセージの伝達」「チャレンジできるフィールド提供」
の3つが優秀人材の成長を後押しする

樋口:
採用された外国籍人材と日本人とのコミュニケーションに困難はないのでしょうか?

小島:
実際はあると思います。弊社の場合はこれまでドメスティックにやってきているので、正直に申し上げますと今は習うより慣れろ、という状況です。
今海外で採用した人材は、上海、シンガポールで働いていますが、徐々に拠点の人材入れ替えを促していますので、これが活性化してくると英語で仕事をやらざるを得ない環境になってくるでしょう。

採用方法はどのようにやられているのでしょうか?

現地でも日本と同じように問題解決能力の見極めるための採用プログラムを行なっています。
国に関係なく、面接ではなく、課題をやらせて力量を判断して採用する。入社後も配属前に更に難しい課題を与えてやりきれるかどうかを見極めるという2段構えをとっています。

これまで採用のお話を中心に伺ってきましたが、実際には採用した人材のやる気を高め、
パフォーマンスを引き出すことも難しいのではないかと思います。
どのような方法を採られているのか、教えていただけないでしょうか。

採用と教育のどちらが重要かと言えば、圧倒的に採用だ、とCEOは強く言います。
やはり根幹には自分自身でチャレンジし、自分で解決できる能力があることが大前提です。そういう人材を採用し、ワークスアプリケーションズとしての経営の考え方をしっかりと伝え、意欲がある人材がチャレンジできるフィールドを絶えず用意していく。
この3つがうまく流れれば、優秀な人は更に成長するでしょう。

フィールドを与え続けていくことに大変興味があるのですが、仕事に飽きている状況や合わなくて苦しんでいる状況は誰がどのようにマネジメントしているのでしょうか?

設立して10年間は中間管理職がいなかったので、誰かが誰かの面倒を見るという発想は薄いです。やりたいと思ったらやればいい、それを周りは邪魔をしない、という風土づくりをしてきているので、若くても優秀だと思えばそれに上蓋をするのではなく、やらせてみる。経営も絶えずチャレンジをしようとしています。
経営の考えを伝えるためにCLOWS(クロス)という全社朝会を行っています。設立数年後から継続して行っているのですが、毎月CEOが登壇し、社員に対して自分の経営哲学や事業戦略を伝え、時には社員に檄を飛ばすこともあります。この中でも「なぜチャレンジしないんだ」と絶えずチャレンジを意識させるような話をしています。
更に評価制度自体もチャレンジすることに重きを置いており、何もせずにそこそこの業績を挙げている人材よりも、チャレンジして失敗している方に一段階上の評価を付けたりします。このようにして風土と仕組みの一貫性を保っています。

文化として作られているのですね。全社朝会の効果は経営上大きいとお考えですか?

大きいと思います。規模が小さい時には一人一人の社員に対して経営者が考えを伝え、それに対して社員それぞれ「どういうことをしたいか」「何が問題だと思うか」を伝え、さらにその場で経営者が「それはいらない」「やるならこういう風に考えられないか」とダイレクトにフィードバックをしていました。
さすがに今の規模ではそれはできないですが、経営者が何を考えているのか直接聞く機会は非常に重要だと思います。