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「挑戦する文化」を徹底するには、採用・経営メッセージの伝達・フィールドの提供がポイント 株式会社ワークスアプリケーションズ ビジネス・サポート・インフラグループ ゼネラルマネジャー(小島 豪洋氏)

社員からの報告書を通じて経営者自ら社員の考えを把握

小島:
もう一つ月報という経営に対する報告書があります。
これは義務なのですが、自分が担当している仕事やそれに対して感じている問題点、やりたいことを書く欄や雑記欄を設けています。雑記欄には何を書いてもよいので、「もっとこんな制度を導入してほしい」「CLOWSで経営はこんなことを言っているけれど、まったく同意できない」といった意見が出てくることもあります。
これを毎月1回経営企画部門に直接提出するのです。一種の目安箱のような感じですね。経営者がすべて目を通すようにしています。それによって経営者の発言や打った施策を社員がどのように受け止めているかを把握し、文化や風土の軌道修正などの材料に使っています。

樋口:
経営者の度量を感じます。

別に経営批判でもいい、それはそれで一つの意見だと受け止めています。
ちなみに、出てきたものに対して都度本人にフィードバックしてしまうと人は口をつぐんでしまうので、あえてフィードバックはしないというのがCEOの考え方です。

朝会はどれくらいの時間をかけてやっているのですか?

1時間半かけてじっくり考えを伝えます。大阪、シンガポール、上海とも全部回線をつないで中継します。場を共有してダイレクトに経営者の考えを伝えることに意味があるので参加は全社員必須です。
また、入社して間もない人ほど時間をかけて場を共有したいという考えから入社1年未満の人材を対象に「My COMPANY講座」を行っています。これはCEOとCOOが主体となって経営哲学を伝える講座です。6回のシリーズで、1回2~3時間ずつ行います。

それは濃い文化ができるわけですね。徹底されていますね。
最後の質問になりますが、小島さんはこれまで複数の会社をご経験されていると思いますが、
特にワークスアプリケーションズではどのようなことを学ばれましたか?

転職して今の会社に来た時によく経営者に言われたのは「既成概念にとらわれるな」ということでした。
たとえば、転職して1週間ぐらいたったころに、経営者に呼ばれて、「通勤交通費を全廃できないか?」と言われたのです。採用に力を入れなくてはならないのに、交通費も出さない会社だと思われたら元も子もない、と思いましたし、個人的に遠距離通勤だったので困る、という私利私欲の道に走った考えも浮かびました(笑)しかし、この考え方がコンサバティブだったのです。
経営者には「遠くに住んで通勤に時間がかかる人材に交通費を支払うよりも、会社の近くに住んだ社員に近距離手当を出したい」と言われました。数年後にサイバーエージェントの方も同じことをおっしゃっていて、やはり経営者は考えることが同じだなと思った次第です。人事は経営者の考えをきちんと理解して、それをうまく利用することが大切なのです。

経営者の発想で考えなければならないですし、人事としては大変な環境ですね。

経営者には驚かされることも多々ありましたが、非常にありがたい経験をさせてもらったと思います。

貴重なお話をありがとうございました。

 

 

 

CompanyData

■会社名:株式会社ワークスアプリケーションズ
■代表者:代表取締役最高経営責任者 牧野 正幸 氏
      代表取締役最高執行責任者 阿部 孝司 氏
      代表取締役最高技術責任者 石川 芳郎 氏
■所在地:東京都港区赤坂1-12-32 アーク森ビル19階
■URL:http://www.worksap.co.jp/index.html
■事業内容 :
 大手企業向けERPパッケージシステム「COMPANY」の開発/販売/サポート
 「COMPANY」HRシリーズは、大手企業向け(年商1,000億円以上)人事給与管理ソリューションの
 ライセンス売上高シェア11年連続第1位※

※2002年~2012年大手企業向け(年商1,000億円以上)人事給与管理ソリューションの
 ライセンス売上高シェア(エンドユーザ渡し価格ベース)株式会社矢野経済 研究所調べ 2012年12月現在


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